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思いつき読みきりストーリー4「ミンチョルの最後の癖」
思いつき読みきりストーリー4「ミンチョルの最後の癖」_d0059113_13372370.jpgいつものようにヨンスの作った晩御飯が並んだイ家の食卓
「ヨンスの作ったご飯はなんでもおいしいねぇ。最高♪」
ミンチョルはにこにこしながら、次々口にほうり込んでいる
「まるでハムスターみたいなホッペ。そんなこと言ってバクバク食べてると太るわよ」
「ん?そんなことないさ。ヨンスの作ったもの以外は食べないから」
「でもお兄ちゃん、お姉さんが作った料理でもニンジンは残すのね?」
ミンチョルはミンジを睨み付けるとヨンスが振り向く前にお皿の端に寄せていたニンジンを口にほうり込んだ。
「はいはい。ごちそうさま。お姉さんが家を空けたら餓死しそうね」
「あなた。。。お昼もちゃんと食べて下さいね。」
ヨンスは心配そうな顔でミンチョルを見つめた。
「大丈夫だよぉ。ヨンス心配しないで。これからはちゃんと食べるよ」
ホッとため息をついたヨンスは思い出したように
「あなた、先日お祝いを下さったソン・ガンホさんですけどね、お礼にお食事に呼んだらどうかしら?
わたしがなにかご馳走を作りますから」
「うーん」
ミンチョルはちょっと考え込んだ
『そーだなぁお礼はしなくちゃなぁ、でもヨンスの手料理は家族以外には食べさせたくないなぁ。
うーんガンホ兄は特別な人だし、ルックスも僕のほうが絶対に勝ってるからいっかな』
「あなた?」
「うん、そうしよう。メールしてみるよ」

数日後、イ家の食卓にはミンジ、ミンチョル夫妻とソン・ガンホの姿があった
「ウワサには聞いていたが、ヨンスさんは本当に優しくて綺麗な人だ、そして料理も最高だな。こんなにうまいカムジャタンを食べたのは初めてだよ」
「ふふふ、ヨンスの料理はなんでもおいしいんですよ。キムチもヨンスの手作りです。さぁ食べて下さい」
「お兄ちゃんはね、お姉さんの作った料理以外は食べないって駄々っ子みたいなこと言うのよ」
「え?ミンチョルが?そんなことを言うのか?本当に???」
ガンホは驚いてキムチを落としそうになった。
「ミンジ!」
「あらいいじゃない。本当のことだもん。ガンホさんびっくりしたでしょ?
お兄ちゃんはもうお姉さんがいないと生きていけない人になっちゃったのよ」
「兵役の頃のミンチョルは結婚なんてしないって頑なに言ってたから、そのミンチョルを結婚したいと思わせた女性はどんな人だろうと思ってたんだが。。。ミンチョル、運命の女性にめぐり合えたな。改めておめでとう。そしてヨンスさん、こいつをこれからもよろしく頼みますよ」
ガンホの目にうっすらと涙が浮かんだ。
一瞬、みんながその幸せをかみ締めるかのように静かになった。
「でも。。。」ガンホが続けた
「ミンジの前では、あまりイチャイチャするなよ。嫁入り前の妹には毒だ。さっきからテーブルの下で二人で手を握ってるだろ」
ヨンスは顔真っ赤にしながら、
「ガンホさん。兵役時代のお二人はどんな様子だったんですか?」
話題をそらすかのように聞いた。
「そーだなー。隠れてタバコを吸ったり、こっそりチョコパイを食べたり、焼き立てのパンを食べる為に早起きしてパン屋に走ったり。。。。肝心の訓練のことは覚えてないなあ」
夜遅くまで他愛のない会話が続いた

「今日はありがとう。ガンホ兄もよろこんでいたよ。疲れてない?」
「ええ、大丈夫。ソン・ガンホさんて本当にいい人ですね。あなたが慕っている理由がわかったような気がします。」
うれしそうな顔をするヨンスを見て、ミンチョルは少し不満だった。
『泣いたり笑ったりするのは僕の前だけにしてって言ったのにぃ、さっきガンホさんにとびきりの笑顔見せてたなぁ』
「お風呂に入ってきますね」
ヨンスが寝室を出て行った後もミンチョルは「うーん」と考え込んでいた。
「そうだ♪」
鏡台に置いてあったヨンスの携帯を手にとり、ミンチョルはなぜか上半身裸になってカチャカチャいじっていた。
そして「作戦その1完了。作戦その2開始!」
と脱いだパジャマをまた羽織り、自分の携帯を持ってクローゼットへ入り込んだ
ヨンスが部屋へ戻るとミンチョルの姿が見当たらない
「ふふふ、またベットの下かしら?」
ベットの下を覗いてみたが、そこに姿はない、ベランダ、トイレにも姿はなかった。
部屋から出たり入ったりする気配にミンジがドアから顔を出した
「どうしたの?またお兄ちゃんがいなくなったの?」
「そうなの。今度はベットの下にもいないの。。。」
「外に出て行った気配はなかったし。。。携帯は?」
「そういえば、彼の携帯がないわ」
ヨンスは自分の携帯からミンチョルの携帯へ電話をかけようと、電話を開いた
「あら?」ヨンスはかすかに微笑んだ
「何?」ミンジが携帯を覗き込んだ、そこにはにっこりと微笑むミンチョルの顔が。。。
「ふん得意のキラースマイルね、それより電話掛けてみて」ミンジはヨンスを急かした
ピッ。ミンチョルにダイヤルする。
「ピピピッピピピッピピピッ」
ミンチョルの携帯の呼び出し音がクローゼットの中で鳴った。
「どうしてクローゼットから電話の音が?」
ミンジはクローゼットの扉をノックしてみたが反応はない
「ジャケットに入れっぱなし?」とミンジが扉を勢い良く開けた
そこには膝を抱えて座ったまま熟睡しているミンチョルの姿があった。
「お兄ちゃん!!!」肩を強く揺さぶられてやっとミンチョルが目を覚ました。
「作戦2失敗だぁーーー」
「お兄ちゃん何言ってるの?」
我に返ったミンチョルは「いや、なんでもない」
「とうとう、最後の癖もお姉さんに披露しちゃったわね。ガンホさんもお姉さんには黙っててくれたのに。。。」
「ガンホさんも知っているの?」ヨンスはミンジに聞いた
「お兄ちゃんはね、どこででもすぐに熟睡しちゃうのよ、兵役でも草むらに隠れる訓練中とかに熟睡しちゃってみんなで探して大騒ぎになったってさっきこっそり教えてくれたのよ。」
がっくりとうな垂れているミンチョルを尻目に「じゃあお休み」とミンジが部屋を出ていった
「携帯の待ち受け画面、素敵な写真に変えてださってありがとう」
ヨンスはミンチョルの機嫌をとるように優しく囁いた。
ミンチョルの顔にパッと笑顔が現れた「もっといいのがあるんだぁ」
とヨンスの携帯にダイヤルした
「ピピピッピピピッピピピッ」呼び出し音と伴にヨンスの携帯の画面が
キラースマイルのミンチョルから上半身裸でクールに決めたミンチョルの画像に変わった
ヨンスの頬がほんのりピンクに染まった
「ヨンスがお風呂から上がってきたら、クローゼットから携帯を鳴らしてこの画面を見せてびっくりさせようと思ったんだ。。。でも、いつのまにか熟睡しちゃったんだ。どお?気に入った?これからはもっともっと僕からの電話が待ち遠しくなるね」


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ここでちょっと補足です。
※1カムジャタン  豚の背骨とジャガイモの鍋です。ジャガイモがうまいんですよー
※2ニンジンを残す 今日読んだ雑誌に「なんでも食べるがニンジンは残す」とありました。
※3兵役でのタバコ・チョコパイ これはインタビューで実際に兵役中にやっていたと答えてました。
by gomazokun | 2005-10-27 13:37 | みんちょる君
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