思いつき読みきりストーリー番外編「君に逢いたくて」
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『あれからどれくらいの時間が過ぎたのかしら
ただ時間が過ぎて行くだけの毎日
離れ離れになっても、まだあなたと過ごした時間のほうがほんの少し長いわ』
ヨンスはミンチョルの似顔絵を指でなぞりながら
一日の大半を過ごした
ヨンスはミンチョルの顔は似顔絵で思い出すことができたが、
あの低く優しい声を忘れることが何よりも怖かった

ナレが気分転換にとFMをつけてくれた
突然、なぜだかとても懐かしい気持ちになった
ヨンスは似顔絵から声がしたのかと思った

  君に逢いたくて 誰よりも逢いたくて
  忘れることなんて できやしないから
  君が見えなくて 何度も傷つけたけれど
  もう一度この手をつないでほしい
  いつもつないだ手は温かかった


その声はFMから流れる切ないバラードだった
いつのまにかヨンスは大粒の涙が止め処もなく流れていた

DJはその歌は日本のGという歌手が作った歌で、世界中でたった一人にだけカバーで歌うことを許し
そのカバー曲が、正体不明の「スヨン」という韓国人歌手によってネット上だけで発表されていると話していた

ヨンスはネットカフェに行き、GのHPと「スヨン」のHPを探した
日本のGという歌手のHPにあの曲のことが書いてあった
『パリの路上でこの歌を歌っていたときに
ずーっと佇んで聞いていた若い東洋人がいた
歌い終わってふと見上げると彼が目の前に立っていた
あふれ出る涙を拭いもせず、僕に何を言うわけでもなく
ただただ立ち尽くしていた
僕はなぜだか立ち去ることができす、彼をカフェに誘って話しをした。
驚いたことに彼は日本語はほとんど理解できない韓国人だった
僕らは英語で会話した
「じゃあなぜ涙を流して僕の歌を聞いていたんだい?」
「わからない。聞いているうちに涙が出て止まらなくなったんだ。お願いがある
あの歌詞の意味を教えてくれないか?」
僕が英語で歌詞を説明してあげたら彼は無言で歌詞を食い入るように見ていた
そして「さっきあったばかりの見ず知らずのあなたにこんなこというのは失礼かもしれないが。。。
この歌をある人のためだけに僕に歌わせてほしい。僕の今の気持ちをどうしても伝えたい人がいるんだ
事情があって僕だと明かすことはできないが歌なら。。。」
僕は彼にその訳を話してくれるのならと条件をつけた
そして僕らは明け方まで語り合い、固い握手をして別れた
お互い名前も明かさないまま。。。』

「室長。。。」
ヨンスは涙でかすむ画面で「スヨン」のHPを探した
HPを見てヨンスは確信した。
いつかパーティを抜け出して見たあの絵があったのだ
そして「スヨン」というハングルがクルクル回って
パズルのように「スヨン」「ヨンス」と並んでは崩れていた。
良く見ると下に小さくメールアドレスがあった。
ヨンスは迷わずメールを書いた
「あなたの想いは私に届きました。いつまでも待っています。
できることなら、もう一度あなたの胸に抱かれたい」

数時間後、ヨンスの携帯が鳴った
着信番号は表示されずに「番号表示不可」となっている
相手が国際電話であることを現している

「ナエヨ(僕だ)。。。」
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by gomazokun | 2005-07-13 22:42 | みんちょる君
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